通常採用と障がい者採用に大きな違いはありません。
しかし、障がいの内容や程度、必要な配慮事項は一人ひとり異なりますので、
それぞれの状況に合わせたポジションをお任せしたいと考えている企業が多いと言えます。
そのため、面接では企業側が知りたいことに対して的確に答えることが求められます。
面接では「できないこと」ではなく、「できること」をいかに伝えられるかが重要なポイントです。要望をしっかり伝えるのも当然大切なことですが、「こういう障がいがあるので、力仕事は難しいですが、PCの入力作業はこのように工夫すればできます」といった形で具体的に、前向きな表現でアピールしましょう。
また、企業の採用担当者は、仲間としていっしょに働ける人なのかどうかを見極めようとしています。挨拶などの基本的なマナーから見出しなみ、コミュニケーションの取り方まで気を配ることが大切です。
「志望動機」、「自己PR」は必ず聞かれる質問です。履歴書でも書く内容ですが、採用担当者は同じ回答が聞きたくて質問しているわけではありません。面接はふるい落とすものではなく、あなたの人間性や志向を理解するための大切な時間です。つまり採用担当者は、あなたの本音を聞きたいと思っていますので、事前にしっかり準備しましょう。
「志望動機」に対しては、単に「興味がある」、「やってみたい」などの回答は避け、どんな仕事をしたいのか、そして「将来○○な自分になりたいので、こんな仕事がしたい」といった目標も絡めると良いでしょう。ただ、漠然とした内容だと相手に気持ちが伝わらないので、具体的な内容で話せることが重要です。
「自己PR」は、今までの学生生活で行ってきたことやプライベートで達成したことなどを通じて、その企業で活かせる実例を挙げるのがベターです。その際、長々と説明してしまうのではなく、結論から話すことで、相手に内容が伝わりやすく、より自分のことを理解してもらえます。最終的には、経験を活かして、どのようなことができるのか、どのようなことをしたいと考えているのかを伝えるようにしましょう。
障がいの内容をどこまで話せば良いのか迷っている方も多いと思います。企業側は「どの程度の障がいなのか」を知りたがっていますので、時系列で整理し、要点を伝えるのがベターです。発症の経緯、現在の具体的な状態、そして将来どうなる可能性があるかの3点を抑えれば問題ありません。将来の可能性については、医師の見解を交えて伝えましょう。
また、どのような配慮を希望するかも忘れずに伝えます。設備などのハード面と、周囲の協力などのソフト面の両面を分けて伝えるとわかりやすいでしょう。その中で優先順位をつけてあげることで、企業側もどのような配慮をするべきか整理しやすくなります。